カジノ議論のモノサシ! 日本における賭博の判例をまとめてみた | 東京カジノラボ

カジノ議論のモノサシ! 日本における賭博の判例をまとめてみた

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photo by きうこ  福よせ雛8 ロン!

いよいよ国民を巻き込んで議論されようとしているカジノ問題。日本では一般的に賭博(ギャンブル)が不道徳なものであると疎まれていますが、法律的にはどんな位置づけで、どんな評価をされているものなのでしょうか? 過去の判例を振り返ってみます。

【訂正】9月24日付の当記事において、当初「白鳳(原文ママ)と子供の相撲の勝敗予想はちがう。」と記載した内容に一部不適切な表現がありました。お詫びして訂正いたします。なお、当該記事につきましてはすでに修正を加えてあります。

ギャンブルとは何ぞや? 賭博の判例を振り返る

賭博の問題を議論するにあたって、
過去の日本でどんな議論がなされてきたかを
知っておく必要があります。
ここでは、カジノ議論で関連してくるであろう
さまざまな判例をまとめてみます。
判例とは、裁判の先例であり、以後の判決に
影響をおよぼす存在のことです。
まずは旧刑法185条が賭博の定義としている
「偶然の輸贏(しゅえい・ゆえい)に関し、財物をもって
博戯または賭事をする罪」という法文への解釈をみていきます。
ちなみに輸贏とは、現代語で「勝負」のことね。

勝敗がどう転ぶか分からないことに賭けてはいけない

「偶然ノ輸贏」とは、当事者において確実に予見し又は当事者の意思で自由に支配することのできない事実に関して勝敗を決めることをいう。(大判大11・7・12刑集1・377)

どうなるか分からないことに勝敗を持ち込む。
これが偶然の輸贏ってことね。
分かりやすく例を挙げるならば
「明日の天気を当てる」のは賭博ね。
偶然なのか、実力(技量)なのか。それが問題だ。

偶然の要素が含まれる勝負事に賭けてはいけない

単に技倆の巧拙のみによって決せられることがなく偶然の事情の影響を受けることがあるべき場合においては賭博罪が成立する。(大判大4・10・16刑録21・1632)
麻雀遊戯の勝敗は、技術の優劣経験の深浅に関係があるが、主として偶然の事情に基づくものである。(大判昭6・5・2刑集10・197)

囲碁や麻雀は実力が支配するものだともいえますが、
同時に偶然性もあるものなので、偶然の輸贏にあたるわけ。
このことについて、囲碁や将棋でも同様の判例があります。
続いて、刑法185条の但書にある
「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは
この限りではない」という点について見ていきます。
これが問題をややこしくしている原因でもあるのよね。

その場で消費する物、およびその物の代金は賭けてOK、現金を賭けたらNG

刑法第185条但書の「一時ノ娯楽ニ供スル物」とは、関係者が即時娯楽のために費消するような物をいう。(大判昭4・2・18新聞2970・9)
金銭はその性質上一時の娯楽に供せられる物ではないから、賭した金銭の多少は賭博犯の成立に影響がない。(大判大13・2・9日刑集3・95)
敗者に一時の娯楽に供すべき物の対価を負担させるため一定金額を支出させたに過ぎない場合には、賭博罪を構成しない。(大判大2・11・19刑録19・1253)

さあ、ここが解釈のむずかしいところよ。
「一時の娯楽に供する物」の賭けはOKだけれど、
じゃあそれは何を指すんだっていう話。
その場で飲むジュース代ならOKで、
その代金100円を賭けるのもOK。
でも100円そのものを賭けちゃNG。
……と、上の判例から読み取れるわね。
ただし、これは法律の専門家の間でも意見が
分かれるところで、明確な線引きはできないのよね。
例えば、賭け麻雀はNGなわけだけれども、
少額であれば不可罰、ようするに刑罰を科すに
値しないんじゃないかという意見もある。
賭け麻雀や賭けゴルフなど、さまざまな賭け事が
賭博罪であることを認識せずに興じている
人もいるはず。そんな人たちには、賭け事に対する
正しい認識をもって、今回のカジノ議論に臨んで
もらいたいわね。
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